でも、どちらも田中さんじゃない。
「いないか~。」
しょうがないから
諦めて帰ろうとした時
「あれ、一架ちゃんまだいたの?」
と、後ろから声がした。
この声は…
「田中さん!良かったまだいた!!」
予想通り、田中さんが
ニコッと笑って立っていた。
「どうしたの、そんなに喜んで。
なにか用事でもあった?」
「うん!聞きたい事があって!
本当はダメかもしれないんだけど…
今、この病院に入院してて
そこの私立校に通ってる
私と同い年の子の病室…
教えてくれない?」
お願いッと手を合わせて
田中さんを見つめた。
じーっと見つめ合う事数秒…。
「それは教えられない。」