「あ、もうこんな時間か。
話すのが楽しくて時間を忘れてたよ。
そろそろ帰るけど、
安静にな。お大事に。」


と、思ってもない言葉を
次々と並べた。


本当は来た時からずっと
時計ばかり気にしていて
喋り続けるアイツから
どう逃げようか考えていた。

でも、あまりに早い時間に帰ろうとすれば
俺の印象が悪くなる。


だから、最善策を考え、
くっそつまらない話に
1時間以上も付き合った。




そんな俺の足は自然と屋上へと向かっていた。



高い場所から見下ろす夜景に
綺麗だなんて感情は湧かない。


俺の生きているこの世界は
昼だろうと夜だろうと
闇のように真っ暗なのだから。


取り繕った自分で
やりたい事も見つけられず、
ただ言いなりに過ごす。
そんな生活に嫌気が差してるのに
その状況を変えようとしない自分。