女たちは、俺の顔や成績、
家柄に惹かれて寄ってきて
本当の俺を見ようとはしない。


男も、俺の家の権力に怯え、
俺の機嫌を損なわないように
腫物を扱うように接してくる。


そのおかげで、
俺は友達と呼べるようなやつはいない。




こんな世界、
生きている意味があるのだろうか。


毎日、そんな事ばかりを考えていた。



そんなある日、
流れで学級委員になっていた俺は
入院しているクラスメイトに
プリントを届ける事になってしまった。


怠いと思いながらも
仮面を被った俺が
断れるはずもなく、
病院までやってきた。


プリントを届け、
相手に合わせ話しているうちに
陽は沈んでいた。