修也へ
この手紙を読んでるってことは
私はもうこの世にはいないんだよね?
ねぇ、修也。
私は修也の言った通り
ただ強がってるだけで本当は弱虫なの。
なんで私が病気なんかにって思ったし、
死ぬのだって怖かった。
修也に出逢ってからは
余計にそう思うようになったんだ。
修也は、頭がよくてなんでも出来て
人の中心にいるような王子様。
でも、それは偽りの姿で
私が知ってる本当の修也は
意地悪でよく笑って、
すごく手と心があったかくてとっても優しい人。
私をすごく理解してくれて
私の欲しい言葉をくれて
私を笑顔にしてくれる人。
そして…私に希望をくれる人。
…私はそんなあなたが大好きでした。
これは、一生伝えないつもりだったんだけど、
弱った私は修也に甘えたくなっちゃったみたい。
修也と出逢って私はすごく欲張りになった。
もっと生きたい。
おばあちゃんになっても
修也の隣にいたい。
なんてそんな事を考えるようになってた。
私ね、初めて修也のおうちにお邪魔した時に
修也のお母さんに会ったの。
そこで、修也家族に何があったか教えてくれて
私に、”ありがとう”そう言ったんだ。
それを聞いて、私、”生まれてきてよかった”
そう心から思った。
お母さんとお父さんが
願いを込めてつけてくれた名前のような人になれたんだ
ってすごく嬉しかったの。
それが修也の事だったから尚更。
私、修也に出逢えたおかげで
悔いがない人生を送ることが出来た。
私の願いを叶えてくれて、
それ以上の事もしてくれて、
すごく、幸せだったよ。
本当にありがとう。
キミと過ごした180日間は
私にとって一生の宝物となりました。
最後に、私から2つお願いがあります。
1つ目。
一年に一回、それだけでいいから
私の事を思い出してください。
やっぱり完全に忘れられちゃうのは
寂しいから。
そして2つ目。
絶対、幸せになってください。
すごく素敵な人と出逢って
あったかい家族を作ってください。
私、空から修也の幸せそうに笑う姿
ずっと見てるから。
私の分までやりたい事をやって
たくさん生きて、
私の分まで笑って下さい。
これが私からの最期のお願い。
もちろん、修也なら叶えてくれるよね?
あの日、屋上で出逢ったのが
修也で本当によかった。
私に、幸せと笑顔をくれてありがとう。
一架