20××年〇月△日
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今日は楽しみにしていた旅行、
のはずだったんだけど、
帰ってきてしまった。
昼間はすごく楽しかった。
だけど、夜、
修也と同じ部屋になってしまって…。
修也に増えた足の痣を見られて
抱きしめられた。
修也は怒ってるような悲しそうな
とにかくあんなに感情を表に出す修也を
初めて見た。
そこで気付いてしまったの。
私と修也は同じ気持ちだってことに。
”好き”そう言おうとした修也の唇をふさいだ。
…これは私の最後のわがまま。
ずるいかな。
気持ちは聞けないけど、
修也を近くで感じたかったからなんて。
頭で考えるより、先に体が動いていたんだ。
私が頑なに隠してきた弱さを
修也は全部見破っていた。
私を丸ごと受け入れてくれるような修也に
もっともっと惹かれた。
でも、神様は意地悪だね。
私、もう長くないって気づいちゃってるのに
こんな時に今までよりも
もっと好きにさせるなんて。
好きすぎて、苦しいよ…。
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