俺の家は所謂お金持ち。
父親がデカイ会社を経営していて
この辺じゃ、会社の名前を知らないやつは
いないくらい。
俺は、そんな家が大嫌いだ。
出来のいい兄と毎日比べられ、
もっと学べと強要され、
学校では父親の顔に泥を塗るようなことはするなと
永遠と言い聞かされてきた。
その結果、毎日自分で鳥肌が立つような
完璧な笑顔を貼り付け、
学校のテストでは毎回1位を取り、
先生や生徒の信頼を得て、
学校の王子様と呼ばれるようになった。
成績優秀、容姿端麗
加えて性格もいい。
周りからの俺の評価はそんなもんだ。
それを羨ましいというやつも
中にはいるだろう。
でも、俺は自分の世界が
息苦しくてしょうがなかった。