【修也Side】
俺の一日の目覚めは最悪だ。
「修也坊ちゃま。
時間です、起きてください。」
毎日、この一言から俺の一日が始まるから。
俺にこう言ってくるのは
生まれた時からこの家に仕えている
青田さんだ。
「起きてるから。
毎日来なくていい。」
「そう言われましても
奥様のご指示で…。」
と、声のトーンを落とした彼女に
はぁとわざと聞こえるようにため息をして
「分かったから出てってくれる?」
そう冷たい声を発した。
青田さんは朝食のトレーを
机の傍に置き、
一礼をして俺の部屋から出て行った。
パタンとドアが閉まるのを確認してから
もう一度大きくため息をつき
布団から顔を出した。