「あの、お線香あげてもいいですか?」


リビングに通されると
一架の笑顔の写真が飾られていて目を引かれた。


しかもその写真は俺が
文化祭の時に撮った写真だったから。



仏壇の前で長い間目を閉じていた俺を
静かに見守ってくれていたお母さんが
話をしてくれた。


「この写真ね、他のどれと比べても
一番いい顔してるのよ。」


写真を愛しそうに見つめながら
そう言うお母さんに俺も嬉しくなった。


「これ、修也君が撮ってくれたんでしょ?」


そんな問いかけに小さく頷くと
お母さんは「ちょっと待っててね」と
一旦席を外した。


そして戻ってきたお母さんに手には
抱えきれないほどの数の
ノートがあった。


もしかして…


「それ…。」