やっぱり私の思った通り、
彼は一瞬だけ眉をひそめて
怪訝そうな顔をした。


でも、またさっきみたいに
すぐ笑顔になって
「そっか。」と言ったきり
黙ってしまった。



しばしの沈黙。
夜景や星を眺めながら、
私は彼に話しかけることにした。


「ねぇ、その制服
そこの私立校のだよね?何年生?」


彼は私の質問に
律儀に答えてくれた。


「2年生だよ。君は?」


「一緒!私も2年生!
ね、名前は?」


「榊 修也。」


「修也くんか~!
私、桜井一架!
漢数字の一に架橋の架で
いちか!!よろしくね!」


と、手を差し出してみたけど
それには答えてくれず
私は寂しくその右手を引っ込めた。