次の日、朝起きるともう一架の姿はなく
置手紙だけが残されていた。
”先に帰ります”
綺麗な字で、たったそれだけ。
梨央ちゃんの所にも
同じメールが届いていたみたいで
すごい勢いで俺に何があったのか
問い詰めに来たけど
俺の顔があまりにもひどかったのか。
深く聞いてくることはなかった。
結局、そんな状態で楽しめるわけもなく
俺たちは足早に旅行を終え帰宅した。
家に帰ってからも
頭に浮かぶのは一架の事。
…俺は判断を間違った。
余計な事を言ったんだ。
でも、なんで一架は俺にキスなんて…。
考えても考えても
答えなんて出ないまま
数日が過ぎた。