「俺だって、一架を救いたい。
お前が俺を救ってくれたように。
お前の力になりたいんだよ…。

俺は…俺は…
お前の事がす…」



俺は何を口走ろうとしたんだろうか。


一生言わないって決めていたはずなのに。


でも、言う前に言えなくなった。





一架の唇と俺の唇が重なっていたから。



そっと離れたぬくもり。


今さっきまで触れていた
一架の口元は微笑んでいて


「ありがとう。
私、眠いから先に寝るね。
おやすみ。」


視線は一切交わることなく
震えた声でそう言った一架は
ベットの端っこへと体を倒した。