「なに?考え事?」


さっきの焦りようがウソのように
落ち着きを取り戻していた。


「ちょっとな。」



風呂上がりのせいか、
少しドキッとなった心臓には気づかないふりをして
俺も風呂へ入ろうと立ち上がろうとした時
見てしまった。




一架の足に増えた白い花を。



「あ、これ?とうとう足にまでね。
でも、今寒くなってきてるから
黒タイツで誤魔化せるの!
便利でしょ?」


全然気にしてないよ
と言いたげな笑顔を俺に向ける一架を
見るのが辛かった。


悔しい・辛い・痛い


いろんな感情が俺の中に押し寄せて
気付いたときには
自分の腕の中に一架を引き込んでいた。


「え、しゅう…」「なんでだよ!!」


「え…?」