柔らかい笑みを浮かべたお母さんに
鼻の奥がツンとして胸が熱くなった。
私がしたことはただのお節介だったんじゃないか
って思っていたけど、そんな事なかったんだ。
こうして、誰かの役に立てて、
修也の役に立てたんだってすごく嬉しかった。
「あの、私のほうこそ
ありがとうございます。」
「ふふ、どうしてあなたがお礼を言うの?
感謝しているのは私たちなのに。」
「それは…」
修也や、修也の家族の笑顔が見れた事で
私は生きててよかった。
そう心から思えるから。
…なんて重い事は言えないから
「なんとなくです。」
そう誤魔化した。
「面白い子ね?
ねぇ、一架ちゃん。
これからも修也の事よろしくね?」
「…はい。」
ギュッと握られた手に
胸を張って答えられない事が
すごく苦しかった。