帰り前、翔君のご両親に
お礼を言ってからお店を出た。


星が煌めく夜道を歩く私の隣には修也。



「ね、時計、ありがとう。」


あの後、早速左手首に付けた時計は
暗闇の中でも星に負けないくらいの輝きを放っている。


大切な人からもらった物って
こんなに輝いて見えるんだって
今日、初めて知った。


それに、この時計には
あんな意味が込められているんだって思ったら余計に。



愛しそうに時計をなぞる私を見て
修也は満足そうに笑っていた。


「それ、絶対失くすんじゃねーぞ。
それと、もし壊れてもすぐに直してやる。
その時計の針は一架の未来を刻んでいくものだから。」


「…うん。毎日着ける。
失くさないよ。
だって、私の宝物だから。これ。」