そして、予定通り
次の週の日曜日には退院することが出来た。


その間、初日に来て以来
修也とは会っていなかった。


メールも電話も何も無し。


ただ、梨央から
修也の元気がない事だけを聞いていた。


色々聞きたい事はあっただろうけど
深く突っ込んでこない梨央に
この時は感謝した。

だって、聞かれたって
なんて答えたらいいのか
分からないから。




「じゃあ、一架ちゃん
また定期健診で。」


「ありがとうございました!」


先生と田中さんに見送られ、
すっかり葉を赤く染めた木の間を
歩き出した。


その時


「一架。」


懐かしい声に呼ばれ
振り返れば一週間ぶりに会う彼がいた。


「修也…。」