【一架Side】
修也のあんな顔、初めて見た。
修也が言いたい事は
口には出さなかったけど痛いほど伝わってきた。
…だけど、ここで甘えるわけにはいかない…。
ここで甘えてしまったら私は…
「一架ちゃん、行こっか。」
車椅子と共にやってきた田中さんに
笑顔で頷き病室を後にした。
レーザー治療は初めてだったけど、
こんなもんかって感じだった。
それよりも毎日3本の点滴と
増えた薬のが私には苦痛だった。
点滴を繋いでいると、出歩くのも面倒くさいし
薬は嫌いな粉薬だし…。
だけど、放課後に梨央が毎日
お見舞いに来てくれたんだ。
私の好きなプリンとか
小説とかマンガとか
たくさん持って来てくれて、
そのおかげでこの一週間
何とか乗り切る事が出来た。