【修也Side】


文化祭が終わって一週間。


「おはよ、修也。」


「翔、はよ。」


翔は一架の友達の梨央ちゃんと付き合い始めて
毎日浮かれて携帯の画面を見ては
ニヤニヤしている。


そして今も…


いつものようにニヤニヤ
しているかと思えばなんだか険しい顔。


「翔?」


「…一架ちゃん、盲腸で入院だって?
大したことないといいな。」


…は?


俺は翔の言葉に耳を疑った。


「え、まさか一架ちゃんから
聞いてないのか…?
今、梨央が今日から入院だって
メッセージが…」


「おーい、HR始めるぞ~。」


翔が全てを言い終わる前に、
担任が教室に入って来たと同時に
俺は教室を飛び出した。

アイツ…



「おい!修也!?」
「榊!HRだぞ!」


翔と担任のそんな声は
今の俺には届いていなかった。