「な、なんで…。」


「なんではこっちのセリフだろ。
何回かけても出ねーし。
どんだけ探させる気だよ。
今度のお前のお願いはかくれんぼかっての。」


はぁ、とため息をつきながらも
ゆっくり階段を登ってきて
私の横に腰を下ろした。


「なんでこんなとこにいんだよ。
俺と回るの、そんなに嫌だった?」


「違うっ!」


「じゃあなんで?」


それは…


好きだと自覚して
恥ずかしくて会えなかったなんて
言えるわけない…。


ずっと口を開かない私に嫌気が差したのか
急に修也は立ち上がった。


「え…。」


怒ってる…?


そう思ったのも束の間。


「言いたくなきゃ言わなくていいよ。
でも、せっかくの文化祭だろ。
楽しまなくてどうすんの?」