「か、か、かわ…」
「可愛いっしょ。
俺、見てみたいんだけど。
一架のコスプレ。」
グッと顔を近づけて囁けば
固まって動けなくなっていた。
「か、からわないで…。」
「からかってなんかねーよ。本気。
じゃ、俺文化祭楽しみにしてるから
ちゃんと接客しろよ。」
「へ!?く、来るの!?」
「当たり前。
一架の”彼氏”としてちゃんと行くから。」
彼氏の部分をわざと強調して
真っ赤に顔を染めた一架を残し
その場を後にした。
コスプレしたって、
俺が文化祭に行けば
一架に手を出す奴はいないだろうし…
って、俺、重すぎじゃね。
でも、どうにもならない。
もしかしたらアイツは
他の誰かと恋愛したいのかもしれない。
だとしても、それを遠くから
指をくわえてみているつもりはない。