ちらっと後ろを振り返ると
トコトコついてくる一架を
愛しいと思っている俺は
相当重症なんだと思う。
「ね、ねぇ!」
「んー?」
少し上ずった声で呼んだ一架に
返事をする。
振り返って目が合えば
すぐに視線を反らし下を向いた。
そして、
「あ、ありがと…。カフェ…。」
そう言った一架が可愛くて仕方なかった。
本当なら、このまま抱きしめたいとこだけど
そんな事はしない。
俺のこの気持ちは伝える気がないから。
俺の一方的な気持ちを伝えて困らせたくない。
それに、そんな事よりも
今は一架に願いを叶えるって
約束したから。
それが俺の今すべきこと。
なんて、本当は
約束なんかしてなくても
傍にいられる関係になりたいなんて、
俺らしくもない事をたまに考える。