このノートの存在も、
病気の事も家族以外は誰も知らない。
もちろん梨央も。
親友だからこそ言わない。
私は最後の最後まで
普通の女の子として生きていたいから。
なんてことを頭の中で考えていると
HRの始まりを告げるチャイムが鳴った。
「一架、ありがとう!
ギリ終わった!助かった~!」
私の周りにいたクラスメイト達も
どんどん自分の席へと帰って行き、
担任が教室に入ってきて
朝のHRが始まった。
そして一日はあっという間に終わり、
下校時刻となった。
「今日も早かったな…。」
ポロっと零した声を梨央が拾った。
「またそんな事言ってる~!
私は放課後が待ち遠しくて仕方なかったよ!」