そう言うと
梨央も思い出したみたいで
私と同じようにクスッと笑っていた。


「確かに。
あの落ち込みようはすごかったね。」


2人でクスクス笑っていると


「なーに笑ってんの!」


突然背後から現われた五十嵐君。


「あぁ、去年のじゃんけんに負けた
五十嵐の落ち込みようが
面白かったねって笑ってたの。」


梨央がそう説明すると
彼はムッと口を尖らせ怒ったふりをした。


「ひどいな!足立!
俺、あの時本気でみんなに
申し訳ないって思ってたのに!!」


「いいじゃん、貶してるんじゃないよ?
可愛かったって褒めてんの。」


「俺、可愛いって褒められても
全っ然嬉しくないんだけど!!」


「褒めてんだから素直に
受け取ればいいでしょ?」