「悔しいけど、諦めるよ。
桜井のそんな顔見たら、
略奪しようって考え吹っ飛んじゃった。」


「りゃ…っ!?」


略奪って…。
五十嵐君て意外と強引だったりするのか…。


「まぁ、もし桜井が
泣かされるようなことがあれば
すぐにでも奪いに行くから。
覚悟しててね。」


そんな顔が熱くなってしまうセリフを残し、
五十嵐君は海へ走って行った。





「一架、よかったね。」


!?


「梨央、いつからそこに!」


五十嵐君が去ったのと同時に現われた梨央。
びっくりして心臓止まるかと思ったよ。


「いつって、五十嵐が
一架に告白するちょっと前から?」


…って最初からじゃんそれ!!


「ず、ずっと聞いてたの!?」