…うそ。
を言っているようには見えない。
交わった彼の瞳は真剣で、
その顔はほんのり赤く染まっていた。
「…っあー!
こんなタイミングで言うはずじゃ
なかったのに…。」
塗れた髪をがーっと掻いて、
後ろへ流した。
「えっと…。」
突然の告白に私は何にも
返すことが出来ない。
…だって告白なんて初めてされたから。
五十嵐君の顔の熱が私にも移りそう…。
そんな状態で沈黙は続き、
私は俯くばかり。
足で砂をいじっていると
「…榊君のこと、好き?」
五十嵐君の突然の質問に
体がピクッと反応した。
修也を…好きかどうか…。
この質問に驚きはしたけど
はっきり答える事が出来る。
「…好きだよ。」