「だ、だってさ!
梨央、早く行こう!!」
「あ!逃げたな一架!!
あとでちゃんと聞くからね!!」
タイミングよく
声を掛けてくれた田中君に感謝だ。
あとで聞かれるときは
また何とかして誤魔化そう。
心の中で梨央に謝りつつ、
ちゃっかりビーチバレーを楽しんだ。
***
「あー!疲れた!!」
あれから、交代でチームを組み
何試合かした後、
スイカ割をしてみんなで食べた。
私は疲れちゃって
そこでもうダウンしたんだけど、
他のみんなはまだまだ元気で
また海へと走って行った。
そんなみんなを
パラソルの下から眺めていると
「はい、これ飲めよ。」
の声と共にジュースの缶が目の前に。
差し出してくれている手の主は
五十嵐君だった。