連れて行かれる五十嵐君と目が合った時
なんだか悔しそうな顔をしていたのは
気のせいだろうか…?


「おい、行くぞ。
翔、ちょっと待ってて。」


「はいよ~。」


そう考えた時、修也に強く引かれ
人気のない岩場まで連れて来られた。



「…この辺までくればいいな。
ってか、お前なんで海なんか来てんだよ。
それ、脱いじまったら困るだろーが。」


2人になった途端、
いつもの修也が戻ってきた。


「…だって、これこれこうで…。」


と、今日までのいきさつを説明すると
わざとらしく呆れたようにため息をついた。


「…まぁ、お前の考え分からなくもないけどさ、
俺がいなかったらさっきの
完全にアウトだったろ。」


修也の言う通りだ。
あのままだったら背中や腕のアザを見られ
病気の事を知られていたと思う。