「だな、行こう、桜井。」


2人に急かされ苦し紛れに
「まだ日焼け止め塗ってないから
先に行っていいよ」と言ったんだけど…


「もういいじゃん!
どうせ海で流れちゃうし!
ね!早く行こうよ~!!」


そう私の腕を引っ張って
パーカーを脱がそうとした。


…まずいっ!


「だ…っ!」


め、と最後まで言う前に
私の視界は何故か暗くなった。


それと同時に


「ごめんね、この子俺のなの。
他の男に水着姿なんて
見せたくないからパーカー
着させといてくれる?」


聞き慣れた声が頭上から耳に届いた。


びっくりして視界を覆っていたものを
剥いで見上げれば


「…修也!?」


それはやっぱりまぎれもなく修也で
その後ろには山内君もいた。