それからなんとか
ゴール地点まで戻った私達は
何故かぐったり。
「…お前、絶対免許
取らない方がいいぞ…。」
「…私もそう思う。」
私のあまりの運転センスのなさに
楽しいはずのゴーカートは
体に衝撃を与えるだけのものとなった。
「…でも、お願い
叶えてくれてありがとうね。」
私の無茶なお願いを
こんな形で叶えてくれるなんて
思っても見なかった。
「…まぁ、約束だしな。
それになんか俺いい事した気分。
将来、もしお前が何も知らず
免許取ってたとしたら
絶対事故るだろ。
未然にそれを防いだ。」
そう、ハハッと笑った。
私は、その言葉に涙が溢れそうになって
堪えるのに必死だった。