こんな事になれていない私は
真っ赤になっているであろう顔で
修也の顔を見上げると
イジワルそうにニヤッと笑みを浮かべ


「デートなんだからいいだろ？」


そう言った。


「…デッ！？」


デート！？


確かに朝、私はそう思っちゃったけど
修也は絶対そんな気ある訳ないと思って…



こいつは一体何を考えているんだ…。


でも、この顔からすれば
私をからかっているに違いない。


自分は慣れてるからって…


そう、ちょっとだけ
怒りの感情も湧いたけど
そんなのはすぐにどこかへ
飛んで行った。


だって、修也がまた
新しい顔を見せてくれた事の方が
嬉しかったから。


ほんの数日前まで
完璧な作り物の笑顔しか
見せてくれなかった彼が、
今は本当に心から笑ったり、
他の男の子と同じように
からかうような顔をしたりしている。