準備が終わったところで
時刻は9時。


1時間ほど前に起きてきた
お母さんとお父さんに
出かけてくるとだけ伝えて
家を飛び出した。


なんでこんなに急いでいるのかは
私には分からない。


だけど体が勝手に動くんだもん。


外の暑さなんて気にならないほど、
心は浮かれていた。




駅に着く前、
横にあったビルの窓を
鏡代わりに使い全身をチェック。


夏らしくしようと思って
上は水色のストライプのノースリーブシャツに
薄手の青色のカーディガンを羽織った。
下は白色で腰にある大きなリボンが特徴の
スカートに見えるような短パン。
どちらもお気に入りの物を選んだ。


「…変じゃないよね?」


鏡の中の自分に問いかけ
緩く巻いた髪を手ぐしで
さっと直して駅へと向かった。