相当にやけているであろう顔のまま
考えていたお願いを文章にして送り返した。
『車を運転してみたい。』
まだ16歳の私達に免許を取る事なんて出来ないし
ましてや無免許運転なんて
恐ろしい事は出来ないけど、
どうしてもしてみたい事の1つだった。
こんなお願い、
叶えられないって思いながらも
修也に送ってしまった私は
少し意地悪だろうか。
でも、そう思うのとは反対に
修也なら何とかして
私の願いを叶えてくれるような気がしたんだ。
「とりあえずお菓子でも作ろうかな。」
スマホは自室に置いたまま
一階へと降りてキッチンへ向かうと
まだ、お母さんもお父さんも起きていなくて
なるべく静かに準備を始めた。