【一架 Side】


なんとなく、逃げるように帰って来ちゃったけど、
家に着いてしばらく、
外の空気を吸おうとベランダに出ると
すごく綺麗な満月が夜空に輝いていた。


それを見た瞬間、何でか分からないけど
私の直感が”いい事がある”と言っていた。


そう感じた私は迷わず修也に電話を掛けた。


さっきの気まずさを感じさせないように
明るくいつも通りの私で。


意外にも早く電話に出てくれた修也に
一方的に話を進めると
”あったよ、いい事”そう言っていた。


どんないい事かは聞かなかったけど
いつか話してくれたらいいな
なんて思いながら満月を眺めていると
突然耳に当ててたスマホから


『ありがとうな。』


はっきりとそう聞こえた。