ーーー

「えっ⁈」

夏休みが始まり1週間あまりが経った頃。暑さ対策で午前中で練習は切り上げられた。

俺がキレてから、キーパー相手のシュート練習は真面目にやってくれるようになった。そうだ、時には自分の気持ちを出した方がいいこともある。

こんな風に少しずつでもいいから、俺も周りも変わって行けたらいい。

そんな午後、エアコンの効いた部屋で宿題のワークをやっていると、なんだかスマホが騒がしかった。何度も受信を知らせる音が聞こえる。

気になり手にとって見るとそこには何十通もの受信の知らせが。

なんだ?

その内容を見て思わず声が出てしまう。

「なんで……」

そこには、違うクラスの米村 朱里という女子が亡くなったという知らせと、亡くなった原因などを探り合う言葉がそこかしこに飛び交っていた。

米村?誰だ?

まだ入学して数ヶ月。生徒数も多く知らない人の方が多いくらいだった。

知らないにしろ、同じ学校の生徒が亡くなったことは俺にもショックを与えた。

サラッとメッセージ内容を見ると、どうやら交通事故が原因で亡くなったらしいことは分かる。

その中、即死だったとか、自殺じゃないのか?など。クラスのグループ内に彼女のことを知っている人はいないらしく、憶測が流れている。

それを見ていると吐き気すら感じ、スマホを閉じてカバンにしまった。