そして今日は珍しくもう一つ投稿がある。

『自分の気持ちに正直に』

自分の気持ちに……?

急いでさっき自分が書いた呟きを見る。そこにはナナからのイイねが押されていた。

『らしくねーな』

仲間に言われた一言は、今の俺の悩みそのもので。

人から見える俺らしさと、自分の理想的な俺らしさ。まさにその違いに戸惑いを感じている。

それはまさに、ナナが言う『自分の気持ちに正直に』それが出来ていないということだ。

……そうだよな。周りの目ばかりを気にしている自分が恥ずかしくなる。時には今日のように自分を出せばいい。

月の消えた窓枠は真っ暗で何も見えない。いつもなら閉める青いカーテンを何でだか閉める気にならなかった。

真っ青な青空のような澄んだ気持ち。夕暮れのような切ない気持ち。真っ暗な夜空のような落ち着いた気持ち。

キレイな色のカーテンで隠してしまったら、それは常に同じ色で。

移り変わる天気にさえ気づかないだろう。
そんなの、やっぱりつまんない。

変化があって当たり前だ。人の気持ちだってそうだ。

『ありがとう』

きっと、俺に向けてくれたナナの呟き。

少し迷ったけれど思い切ってナナ個人に宛ててメッセージを送る。

心臓がトクンと軽く跳ねた。

『自分の気持ちに正直に』

そんな当たり前のことが、当たり前にできるように、俺はなりたい。