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モヤモヤとした気持ちのまま、数日が過ぎた。

翠を怒らせてしまったのか、あれから連絡もない。

何度か俺の方から連絡しようかと思ったが、何を言ったらいいのか分からず、それもできなかった。

俺がおかしいのか?俺が、謝るべきなのか?そんなことが頭をよぎったりもした。

SNSでこの気持ちを吐き出そうともしたけれど、何を書いても惨めに思えてしまい、できなかった。

ただ、ナナの呟きにだけはイイねを押した。

ナナの投稿は、日によって上がったり下がったりしているのが手に取るように分かる。下がっているときには頑張れ、上がっている時にはその調子、そんな気持ちで押していた。

ナナも、同じように悩んでいるんだ。そんなことが、少しばかりの俺の勇気になる。


そんな日曜の朝。

梅雨の晴れ間、空は久しぶりに青い色を見せていた。こんな日は、自然と気分も上がる。

「っしゃ、やるか」

1人気合いを入れるグラウンド。

湿っているグラウンドと空気が梅雨を感じさせる。

「あちーなー」

「だな」

部員たちは相変わらずヤル気があまり感じられないが、そんなことはもうどうでもよかった。好きなサッカーさえできれば、今はそれでよかった。

ジョギングや簡単なアップを終えると、キーパー同士集まりボールを蹴りあったり投げ合ったりする。

時々くだらない会話を挟みながらの練習は、俺にとってもいい気分転換になる。

「おーい、そろそろ休憩しろ」

キーパー以外の部員が俺たちに向かって叫んでいるのを聞いて、校舎の陰にみんな集まる。