「やっと終わったー!」
期末テストの終わりを告げるチャイムの音は、まるで試合開始のホイッスルのように俺のスイッチを入れた。
1週間、簡単な自主トレ以外動かしていない体はギシギシと音を立てそうなくらい錆びついている気がする。
「ぐあーっ」
大きな伸びをすると首からパキパキと音がする。
「勉強しすぎだな」
独り言のつもりが、周りにも聞こえていたようで。
「そりゃ、結果が楽しみだな」
なんて隣りの奴にからかわれる。
そんな挨拶程度の軽い皮肉は、サクッと聞き流す。今日は誰もが機嫌がいい。
「今日、中庭だってさ」
「ああ」
同じサッカー部のヤツが強めに肩を叩いていく。
そうだ、世間は梅雨真っ只中。今日も外は低い雲がかかっていて雨が降っている。
うちの学校には中庭があり、三階にあるテラスが屋根代わりになって雨の影響を受けない。狭いが、そこを使わせてもらえるだけでもラッキーだった。
機嫌がいい俺は、翠の教室を覗いて帰ろうかと思い立つ。まだ帰ってなければいいけど。
足取りも軽く、1つ下の階にある翠の教室に向かう。開けっ放しのドアから覗くとまだたくさんの生徒が残っていた。
翠は入り口近くのロッカー辺りで、背の高い男子と話をしていた。
誰だ……あいつ。
一瞬ザワッとした胸。こちらに背を向けている翠はまだ俺には気づいていない。
期末テストの終わりを告げるチャイムの音は、まるで試合開始のホイッスルのように俺のスイッチを入れた。
1週間、簡単な自主トレ以外動かしていない体はギシギシと音を立てそうなくらい錆びついている気がする。
「ぐあーっ」
大きな伸びをすると首からパキパキと音がする。
「勉強しすぎだな」
独り言のつもりが、周りにも聞こえていたようで。
「そりゃ、結果が楽しみだな」
なんて隣りの奴にからかわれる。
そんな挨拶程度の軽い皮肉は、サクッと聞き流す。今日は誰もが機嫌がいい。
「今日、中庭だってさ」
「ああ」
同じサッカー部のヤツが強めに肩を叩いていく。
そうだ、世間は梅雨真っ只中。今日も外は低い雲がかかっていて雨が降っている。
うちの学校には中庭があり、三階にあるテラスが屋根代わりになって雨の影響を受けない。狭いが、そこを使わせてもらえるだけでもラッキーだった。
機嫌がいい俺は、翠の教室を覗いて帰ろうかと思い立つ。まだ帰ってなければいいけど。
足取りも軽く、1つ下の階にある翠の教室に向かう。開けっ放しのドアから覗くとまだたくさんの生徒が残っていた。
翠は入り口近くのロッカー辺りで、背の高い男子と話をしていた。
誰だ……あいつ。
一瞬ザワッとした胸。こちらに背を向けている翠はまだ俺には気づいていない。