***
ギラギラと照らす太陽。
梅雨が明けたのはいいけど、暑過ぎやしませんか?
終業式。
受け取った通知表の内容については触れないでほしい。
木下さんに、バイバイと手を振ってしばしの別れ。みんな夏休みという言葉に浮かれている。
私は美術室へと足早に向かっていると、隣の教室から出てきた小椋くんとばったり鉢合わせをしてしまった。
「おお、虹」
「お、小椋くん。部活?」
彼はすでにあの赤い練習着に着替えていた。一緒に出てきた友達に先に行っといてなんて言っている。
「おう、虹は?」
「私も……」
なんか、気の利いたこと言えないの?可愛げないって思われちゃうよ。
「こないだの絵、できたか?」
「ああ、もう少し」
「そっか、楽しみだな」
楽しみ?あんな絵が?
いやいや、こんなの社交辞令だから、浮かれるな私。
「小椋くん、暑いから練習気をつけてね」
なんとか、それだけ言えた。
「ああ、サンキュー。じゃまたな」
小椋くんは本当にサッカーが好きなんだろうな。それはきっと私の絵と同じで。去って行く赤い背中が逞しい。
「またな」
それは、また私との次があるってことかな。考えてみたら小椋くんは、いつも、またな、そう言っていた気がする。単なる口ぐせ?
何期待してるんだろ、私。
少しだけ慣れてきたこの気持ち。
頭に小椋くんの笑顔が張り付いている。
ギラギラと照らす太陽。
梅雨が明けたのはいいけど、暑過ぎやしませんか?
終業式。
受け取った通知表の内容については触れないでほしい。
木下さんに、バイバイと手を振ってしばしの別れ。みんな夏休みという言葉に浮かれている。
私は美術室へと足早に向かっていると、隣の教室から出てきた小椋くんとばったり鉢合わせをしてしまった。
「おお、虹」
「お、小椋くん。部活?」
彼はすでにあの赤い練習着に着替えていた。一緒に出てきた友達に先に行っといてなんて言っている。
「おう、虹は?」
「私も……」
なんか、気の利いたこと言えないの?可愛げないって思われちゃうよ。
「こないだの絵、できたか?」
「ああ、もう少し」
「そっか、楽しみだな」
楽しみ?あんな絵が?
いやいや、こんなの社交辞令だから、浮かれるな私。
「小椋くん、暑いから練習気をつけてね」
なんとか、それだけ言えた。
「ああ、サンキュー。じゃまたな」
小椋くんは本当にサッカーが好きなんだろうな。それはきっと私の絵と同じで。去って行く赤い背中が逞しい。
「またな」
それは、また私との次があるってことかな。考えてみたら小椋くんは、いつも、またな、そう言っていた気がする。単なる口ぐせ?
何期待してるんだろ、私。
少しだけ慣れてきたこの気持ち。
頭に小椋くんの笑顔が張り付いている。