「あはは、ま、そんな時は体を動かすにかぎるよ。そういえばさ今度の大会初戦に千里高校とあたんだよ、まいったなぁ」

「え、マジかよ」

この地域では1番の強豪だと聞いている。

「おー。でもさ、逆になんか燃えるっていうかさ。もし勝ったら優勝すんじゃね?」

「あはは、おまえらしーな」

そんな熱い気持ち、サッカー部のみんなが持っていたらいいのに。

「キャプテンが、これから毎日朝練だーっ!て超気合い入っててさ。なんか、みんなやる気になって。こうなったらマジで勝ちにいくわ」

「レギュラーじゃないじゃん、おまえ」

「そんなん関係あるか⁈ みんなで戦うんだよ」

「……だな。まあ、頑張れよ」

その学校のカラーがあるように、その部活、クラスのカラーもある。

俺のクラスはクールな水色ってとこかな。で、サッカー部は陽気な黄色。

普段は何色だって構わない。ただ、ここぞという時にはみんなが同じ色を持ち、目標に向かって努力する。今の野球部のように、燃えるような赤い色に。

「サッカーも大会あるんだろ?」

「ああ。みんな帰りにどこで遊ぶかって計画してる」

「あー、相変わらずだな。ま、楽しみは必要だけどな」

「まあな」

そりゃ楽しみは必要だ。分かってる。俺だってみんなと遊びたくないんじゃない。

「サッカー部も野球部くらいのヤル気見せてくんねーかな」

「だな。でもおまえがいれば大丈夫だろ」

「だといいけどな」

隣りを歩く透に夕陽が当たりキラキラと輝いて見える。いや、夕陽のせいなんかじゃないな、きっと。