「ただいまー」
「おかえり、ご飯できてるよ」
納豆をかきまぜながら俺の方をチラッと見る姉貴。
「いや、今翠とパンケーキ食ってきたから後で食う」
「え?もしかして、ホワイトテラスのパンケーキ?」
「あー、そうかも」
納豆をかきまぜる手を止め身体ごと俺に向いて目を丸くしている姉は、バリバリの体育会系で、翠とは正反対だ。色気のカケラもない。
「美味しかった?まさか、あんたに先越されるとはね」
「なんだよそれ、翠に付き合っただけだよ。ま、かなり美味かったけど」
「やっぱり?私も今度行こう」
「太るぞー」
「うるさい!」
持っていた箸を投げられそうになり、慌てて部屋へと逃げる。
カバンをベッドの上に放り投げ、自分の体も一緒に放り投げる。
美味しいスイーツと可愛い彼女。
リア充ってやつ?
そのはずなのに。
俺はいったい、何を求めているんだ?これ以上、何を?
腰のあたりに転がるカバンからタブレットを取り出す。モヤモヤしている時には、学校専用のSNSアプリで呟いている。
どうせ誰だか分からないし、誰も見ちゃいない。
だからこそ、本音を吐き出せる場所になっている。
アカウント名は『イチ』。
1番が好き。背番号だって1だ。
その真っ赤なアイコンは情熱の赤。なんて、ただのユニフォームの色だけど。
「おかえり、ご飯できてるよ」
納豆をかきまぜながら俺の方をチラッと見る姉貴。
「いや、今翠とパンケーキ食ってきたから後で食う」
「え?もしかして、ホワイトテラスのパンケーキ?」
「あー、そうかも」
納豆をかきまぜる手を止め身体ごと俺に向いて目を丸くしている姉は、バリバリの体育会系で、翠とは正反対だ。色気のカケラもない。
「美味しかった?まさか、あんたに先越されるとはね」
「なんだよそれ、翠に付き合っただけだよ。ま、かなり美味かったけど」
「やっぱり?私も今度行こう」
「太るぞー」
「うるさい!」
持っていた箸を投げられそうになり、慌てて部屋へと逃げる。
カバンをベッドの上に放り投げ、自分の体も一緒に放り投げる。
美味しいスイーツと可愛い彼女。
リア充ってやつ?
そのはずなのに。
俺はいったい、何を求めているんだ?これ以上、何を?
腰のあたりに転がるカバンからタブレットを取り出す。モヤモヤしている時には、学校専用のSNSアプリで呟いている。
どうせ誰だか分からないし、誰も見ちゃいない。
だからこそ、本音を吐き出せる場所になっている。
アカウント名は『イチ』。
1番が好き。背番号だって1だ。
その真っ赤なアイコンは情熱の赤。なんて、ただのユニフォームの色だけど。