全力で走って、それでも間に合わない。ボールが取れてもシュートを外す。その負け方と、諦めて負けるのとじゃ、全く違うんだよ。

「もう、いーわ」

こいつらに、何を言っても無駄なようだ。一つになれたと思ってたのは俺だけだったのか?

「おい、何そんな熱くなってんだよ。ただの球技大会だぞ?準優勝したんだぜ?充分じゃんか」

「そうだよ、準優勝だぜ、すげーよ」

「……まーな」

そう言うのが精一杯だった。

準優勝だって、いいんだ。全員で、全力を尽くしたのなら。悔しいんじゃない、なんだか胸が苦しかった。

「ま、とにかくキャプテンお疲れ!」

「おう」

抱かれた肩の太い腕を掴む。その温度は俺の腕と変わらず熱くて、何だか分からなくなる。

「あーっ、でも悔しいな。もうちょっとだったよなぁ」

そいつが言うと。

「な、あと5分あれば追いつけたかもな」

みんな口々に悔しさを吐き出し始める。

なんだよ、みんな悔しいんじゃんか。

だったら、なんで……。

「分かんねーよ……」

飲み込むつもりだった思いが、低い声になり絞り出される。

「ん?何か言ったか?」

「いや……ほんと、惜しかったよなぁ」

「だなぁ」

悔しいと思う気持ちがあるだけきっとマシなんだろう。そう言い聞かせている胸の奥は、まだモヤモヤしたままだ。