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四十九日を済ませた次の日。

久しぶりに泣いたせいか、瞼が重いけど、心はスッと軽くなっているようで。

気持ちを声にして表に出すことは苦手だけど、今の私には必要だったのかな。

人前で、しかも小椋くんの前であんなに泣いてしまって恥ずかしい、そんな後悔もあるけど。

遅めに起きた私は、昨日貰ってきた朱里の絵を、私が描いた空の絵の隣に飾った。

コトリ、と乾いた音が部屋に響く。

一瞬にしてパッと部屋が華やぐ。

朱里、いらっしゃい。

溢れんばかりに咲き誇る桜の花は、まるで笑っている朱里のようで、なんだかくすぐったくなる。

朱里。

ずっと見守っていてね。

朱里が描いてくれた笑顔の私になれるまで。

青が基調の私の絵、桜色満開の朱里の絵。なかなかいいバランスかも。

私の乗った空飛ぶ船は、まだ暗闇を漂っている。それでも今は、目指す道が見えている。

暗闇を抜け、朝焼けのオレンジへ。そして目の覚めるような青空へ。

朱里、待っててね。

桜のトンネルを抜けた、その輝く世界で。

いつか必ずまた会える。


そう信じて。