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「ねぇ朱里、どこ行くの?」
「サンマ食べに」
「もう秋だねぇ」
「何しみじみ言ってんの、ほら行くよ!」
朱里ーー。
朱里の手を掴もうと伸ばした手は、白い天井に向かって伸ばされていただけだった。
夢か……。
久しぶりに朱里の夢を見た。
亡くなったばかりの頃は、どこかへ行ってしまう朱里の後ろ姿とか、夢で会えたなんてとても思えるものではなくて、私を苦しめた。
今日の夢は少し違っていた。
笑顔の朱里。
彼女がサンマを食べたいと言っていたことも忘れていた。
それもそのはず今日は朱里の四九日。
そして、彼女の16才の誕生日。
朱里の家族の意向で少し遅れた今日、近しい人たちと誕生日祝いをしてから法要を行うことになっている。
色々なことが一区切りとなる。
気持ちだけはそんな簡単にはいかないけれど。いつも前を向いていた朱里にも、いつまでも情けない姿は見せられない。
「虹ー?起きてる?朝ごはんよ」
「はーい」
私にとっても鼓太郎にとっても、大切な日になる。
誕生日祝いには嘉山くんも小椋くんも誘ったみたいだけど、朱里と面識のない2人は遠慮しとくと断られたらしい。
そんなこと気にする必要もなかったと思うほど、誕生日会は朱里らしく、賑やかに明るい時間となった。
朱里が食べたいと言っていたサンマを用意できなかったことは悔やまれるけど。
その後の法要は、身内だけで滞りなく行われた。
寂しさはあるけれど、朱里らしく笑顔の溢れた1日になった。
「ねぇ朱里、どこ行くの?」
「サンマ食べに」
「もう秋だねぇ」
「何しみじみ言ってんの、ほら行くよ!」
朱里ーー。
朱里の手を掴もうと伸ばした手は、白い天井に向かって伸ばされていただけだった。
夢か……。
久しぶりに朱里の夢を見た。
亡くなったばかりの頃は、どこかへ行ってしまう朱里の後ろ姿とか、夢で会えたなんてとても思えるものではなくて、私を苦しめた。
今日の夢は少し違っていた。
笑顔の朱里。
彼女がサンマを食べたいと言っていたことも忘れていた。
それもそのはず今日は朱里の四九日。
そして、彼女の16才の誕生日。
朱里の家族の意向で少し遅れた今日、近しい人たちと誕生日祝いをしてから法要を行うことになっている。
色々なことが一区切りとなる。
気持ちだけはそんな簡単にはいかないけれど。いつも前を向いていた朱里にも、いつまでも情けない姿は見せられない。
「虹ー?起きてる?朝ごはんよ」
「はーい」
私にとっても鼓太郎にとっても、大切な日になる。
誕生日祝いには嘉山くんも小椋くんも誘ったみたいだけど、朱里と面識のない2人は遠慮しとくと断られたらしい。
そんなこと気にする必要もなかったと思うほど、誕生日会は朱里らしく、賑やかに明るい時間となった。
朱里が食べたいと言っていたサンマを用意できなかったことは悔やまれるけど。
その後の法要は、身内だけで滞りなく行われた。
寂しさはあるけれど、朱里らしく笑顔の溢れた1日になった。