分からない。腫れ物に触るような扱いをされるほど、私は惨めなんだろうか?心のトゲに触れてしまうと泣き崩れてしまうとでも思っているのだろうか。
普通に接してほしい、何事もなかったかのように。ただ、それだけなのに。
唯一、私の心のトゲに触れてきたのはあの小椋くんだった。
夏休み前に、私の絵を見て褒めてくれた以来会ってなかった。
夏の間に一層たくましくなった日焼けした笑顔に、少しだけドキッとした。朱里が亡くなってから初めて、違う方向に気持ちが動いた瞬間だった。
大丈夫か?そう聞かれてすぐに朱里のことだと分かったけれど、ふいに扉を叩かれた心の暗闇はそう簡単には反応しない。
ただ小椋くんの素直でまっすぐな私への気持ちは、その暗闇の中にズカズカと入り込んでくるのではなく、すっと優しく寄り添ってきて。
一瞬固く閉ざしていた扉が開きかけた気がして、慌ててぎゅっと締め直す。
心の奥が、熱くて痛くて……。
もう少し話していたいという思いもあったけれど、そんな勇気もエネルギーも今の私にはなくて。寄り添う彼の気持ちに背を向けた。
ありがとう。そう言うのが精一杯だった。
誰にも分からない。誰にも触れて欲しくない。ずっと守っていたトゲの生えた大きな穴。
なんでだろう。なんで、こんなに痛いんだろう。
痛いよ、朱里。
普通に接してほしい、何事もなかったかのように。ただ、それだけなのに。
唯一、私の心のトゲに触れてきたのはあの小椋くんだった。
夏休み前に、私の絵を見て褒めてくれた以来会ってなかった。
夏の間に一層たくましくなった日焼けした笑顔に、少しだけドキッとした。朱里が亡くなってから初めて、違う方向に気持ちが動いた瞬間だった。
大丈夫か?そう聞かれてすぐに朱里のことだと分かったけれど、ふいに扉を叩かれた心の暗闇はそう簡単には反応しない。
ただ小椋くんの素直でまっすぐな私への気持ちは、その暗闇の中にズカズカと入り込んでくるのではなく、すっと優しく寄り添ってきて。
一瞬固く閉ざしていた扉が開きかけた気がして、慌ててぎゅっと締め直す。
心の奥が、熱くて痛くて……。
もう少し話していたいという思いもあったけれど、そんな勇気もエネルギーも今の私にはなくて。寄り添う彼の気持ちに背を向けた。
ありがとう。そう言うのが精一杯だった。
誰にも分からない。誰にも触れて欲しくない。ずっと守っていたトゲの生えた大きな穴。
なんでだろう。なんで、こんなに痛いんだろう。
痛いよ、朱里。