「でも一応、心理テストとかもあるんですよ。たい焼きを頭から食べるか、尾っぽから食べるかで性格が分かったり」
これは結構、有名な話だ。
当たっているのか信憑性は分からないけれど、頭から食べるひとは楽天家で自信家。負けず嫌いで頑固。
「くっだらねーな!」
バッサリ斬り捨てると、源さんはたい焼きにかぶりつく。
もちろん、頭からだ。
「頭でちゅねー」
楽さんも、頭からがぶりといく派だ。大口を開けて喰らい尽くす様とは裏腹に、胸元の大志くんに向けて目尻は下がりっぱなしだけど。
一方、たい焼きを尾っぽから食べるひとは、慎重で繊細な性格だという。
「このぱりぱりがいいんだよ」
亀さんは尾っぽから。
うーん、なんとなく、当たってるぽいけど__?
「ふーっ‼︎」と猫舌の吾郎さんは、半分に割ってからあんこだけ啜る。さすがに選択肢にはない食べ方だ。
ちなみに僕も、こう見えて頭からだったりする。
「しばらく大繁盛だな」
源さんの言葉に、なんて答えていいのやら。
忙しいのは嬉しいけど、流行りは一過性のものだし、常連さんが買えなくて帰ってしまうのも心苦しいし。
まぁ、でも、女子たちが学校に行っている間は関係ないな。
そう安心していたのに__。