放課後――。
私と葉月と翔の三人で、教室に残り話し合いをしていた。
「なぁ、あれは本当に晴斗なのか?」
「葉月、本当だよね?」
「う、うん。でも、私だって変わり切った晴斗には驚いたもん」
「ま、そりゃ、そうだ」
「それに、聞いていたって言っても、そこまで詳しくじゃないし」
私はひとつの提案を出すことにした。
「ね、翔、葉月」
「なんだ?」
「ん?」
「あのさ、明日、晴斗に話しかけてみればいいんじゃない?」
前のめりになりつつある、自分の姿勢を直しながらそう言った。
「話しかける、ねぇ」
「話しかけてもいいけどよ、返事してくれないといやだしなぁ」
私の提案に二人はあまり、乗り気ではなかった。
「じゃ、明日、話しかけてみようよ、ね?」
「あぁ」
「沙月は本当にいい子ね」
「え、えっ。えっと、ありがとう?」
「なんでそこ、疑問形になるんだよ?」
「え……?疑問形になってた?」
「うん、思いっきりなってた」
私はごまかすように肩をあげて、へへっと笑った。