明美は驚きながら千円札をキャッシュトレイに乗せた。

「50円のお返しと……あっ」

レシートを手に取った少女が一瞬目を見開いた。そして明美を見る。

「なに?」

明美は首を傾げてレシートを見た。

レジを打ち間違えてしまったのだろうかと思ったが、そうでもないようだ。

「お客様、黄色いレシートとか、幸せレシートって言葉を知ってますか?」

突然そう質問されて、明美は左右に首を振った。