明美はドアを開けて食堂へと足を踏み入れた。カランカランと涼しげな音が響く。

店内は5席のカウンター席のみになっていて、入口の右手には木工細工が販売されているスペースがあった。

内装も少し変わっているようだけど、BGMのないこの店は明美の記憶にあった通りだ。

波の音が店内まで聞こえて来ていて、心地いい。

「いらっしゃいませ」