今日思い出めぐりが終れば自分も旦那の元へ行ける。

そんなマイナスな気持ちが、希望にすり替わっていた。

浜辺の見える道を歩いていると、小さな食堂を見つけた。

旦那との記憶が一気に蘇って来る。

「ここ……確か昔食べた場所よね……?」

明美はペンキが剥げた看板を見上げる。

そこには《幸せ食堂》と書かれていた。