けれど、唯一の家族である彼らに突き放されたような感覚になってしまった。

彼らからしても、このまま明美が自分たちの性を名乗って生きていく事が気がかりだったのだろう。

子供ができない原因は明美にはなかったのだから。

明美の将来を奪うつもりなんてなかったのだ。

だけど、旦那を失ったばかりの明美にはどうすることもできなかった。

旦那ことを忘れ、早く再婚し、子供に恵まれる。

そして時々元旦那の事を思い出し、家族みんなでお墓参りをする。

そんな生活、とてもじゃないけれど想像できなかった。