その少年の名前は岸和斗(キシ カズト)と言った。

和斗は今小学5年生で、同級生の愛花ちゃんの事が好きだった。

どうにかして愛花ちゃんと普通に話せるようになりたいのだけれど、どれだけ頑張ってみてもそれができない。

話しかけようと思っても照れてしまって、意地悪な事をしてしまうのだ。

誰にかに相談がしたい。

だけど友達に相談なんてしたらきっと冷やかされてしまう。

愛花ちゃんにだって迷惑をかけてしまうことになる。

和斗は愛花ちゃんの困った顔を思い出して、それだけは絶対にダメだと思った。

自分の悩みを笑ったり冷やかしたりしないで聞いてくれる人を探していた。

そして行きついたのが、お父さんだったんだ。